2022年春に行う予定だった海外インターンシップは、またもコロナの問題で中止になってしまいました。しかし、協定校の学生さんと交流して、いい関係をつくることは続けたい!ということでオンライン企画「チームで発信!文化リサーチプロジェクト2022」を2021年に引き続き、2022年2月に実施しました。 

協定校からは、台湾の国立高雄餐旅大学と大葉大学と東海大学、ベトナムのハノイ国家大学外国語大学とフエ大学外国語大学とホーチミン市師範大学、タイのマハーサーラカーム大学とタマサート大学の7大学から日本語を勉強中の学生計45名、そして武蔵野大学グローバル学部日本語コミュニケーション学科の学生(JC生)18名、合計63名が参加しました。

チームで発信!文化リサーチプロジェクト2022

活動内容【事前活動・文化リサーチプロジェクト・事後活動】   

 このプロジェクトは「海外インターンシップ」という科目の一環です。本科目は、【事前活動】【協定生との文化リサーチプロジェクト】【事後活動】に分かれています。武蔵野大学のJC生は、【事前活動】と【事後活動】で、協定生と文化リサーチプロジェクトで学ぶための準備や振り返りを行いました。

【事前活動】では、文化リサーチプロジェクトを進めるために、テーマに関する質問を考えて協定生に連絡をしました。 そのときにどのような表現を使うと相手に伝わるか、伝わらないときはどうすればよいかなど、相手の日本語レベルと伝わりやすさを想像しながら何度も書き直しました。プロジェクト本番で必要となる話し方の調整やことば以外での伝え方についても、実際に自分たちでシミュレーションしながら考えました。

 また、プロジェクトで行う協定生へのインタビューの準備のために、事前活動でインタビューの練習をしました。相手の魅力(みりょく)を引き出すためには、どのようなことを聞けばいいか、インタビューをスムーズに進めるためにはどうすればいいかを考えました。「聞きたいことを聞かないで雑談(ざつだん)のようになってしまった」「内容だけじゃなくて、表情やあいづちも大切」「緊張させないことが大切」など、いろいろな気づきがありました。また、インタビューに協力してもらうには、相手のプライバシーに配慮(はいりょ)して、事前に承諾(しょうだく)を得ることが重要です。依頼書(いらいしょ)を作り、承諾を得るプロセスも学びました。

【事後活動】では、文化リサーチプロジェクトでの学びを振り返り、まとめました。自分たちのチームの発表や協定生へのインタビューを記事にして発信しました。活動全体を通してどのような学びや変化があったのか、JC生の声は最後にご紹介します。

発信スキル(プレゼン・wordpress)

この授業では、発信スキルも磨くために、プロの講師から効果的なプレゼン方法や、wordpressを使った記事制作について学びました。

【プレゼンスキル】は、プレサポの高村先生に教えていただきました。高村先生は、JC生にも協定生にもわかりやすいことばで、わかりやすく伝えるために大切なことを教えてくれました。聞く人を惹きつけるタイトルの付け方を考える活動などもあり、協定生とJC生がプレゼンについて一緒に考えながら学びました。また、今回のプロジェクトのようにチームでPPT資料を作るときのポイントも学びました。

【wordpressを使った記事編集スキル】は、Weyd Designの鎌倉先生に教えていただきました。現代は「発信」の時代。wordpressは世界でも広く使われています。活動についてまとめて学びを振り返るだけでなく、発信スキルも身につけられるのがこの授業の魅力(みりょく)です。みんなwordpressを使うのは初めてでしたが、鎌倉先生のわかりやすいレクチャーを受けてどんどん記事編集を進めていきました。

お二人のレクチャーが大変役に立ったと、学生からも好評でした!

(中略)プレゼンスキルを講師の先生が分かりやすく、説明してくださりました。今までも、色んな発表資料を作ってきましたが、作ってきた資料と比べてみると、相手にわかりにくい書き方をしていまっていたり、デザインにこだわりすぎてしまっていたりしていたことに気づかされました。伝えたいことが伝わるプレゼンとは、どういう資料作りなのか、学ぶことができました。実際の活動でもそのスキルを活かして、タイトルを考えたり、デザインを構成したりしました。今後の大学生活、社会人においても、生かしたいと思います。最後に、インタビュー記事を作成しました。初めてこのように自分で作るという経験をしました。機械音痴なので、しっかり作れるかどうか不安がありましたが、無事完成してよかったです。多くの人、企業が使っているワードプレスを使えたということが、自信になりました。記事の作り方をプロの先生に教わることができて、良かったです。この10日間のすべての活動が、貴重で学びいっぱいでした。参加できてよかったです。来年もぜひ参加したいと思っています。ありがとうございました。(JC生)

さて、JC生はどんな記事を書いたのでしょうか。このサイトにたくさん記事がアップされていますので、文化リサーチプロジェクトとインタビューの内容は、JC生が心を込めて書いた記事からご覧ください!

協定校の皆さんからの声

協定生の皆さんの声から、自分の日本語能力に不安を感じていたけれど勇気を持って参加してくれたことがわかりました。参加して話が合う友だちが見つかり、日本語力にも自信を持てた様子が伝わります!そして「これからもっと学ぼう!」という気持ちにつながっているようで、とても嬉しいです。

 まずはプレゼンする方法がとても役に立っています。 色々な国から、日本語で話せて楽しかったです。 プレゼンした時、私にとって難しかったですが、いい経験が貰いました。 この活動、参加して頂きどうもありがとうございました。

 とてもよかったです。このプロジェクトのおかげで、日本語を話す機会があります。みんなさんにであえてとてもうれしかったです。みんなと楽しく話せるようになるために、日本語を頑張らなければならない気がします。それでは、また~。

 文化リサーチプロジェクトに参加してみると思ったよりとても楽しかったです。色んな外国人と話す機会があって、あたしい友達ができて、良い経験になったと思います。私はすごく感動して良い思い出になりました。そして、日本語を話す勇気がもっとあります。誰が日本語を話したいなら、この活動に紹介したいと思っています。私の大学は武蔵野大学にいいチャンスをいただきどうもありがとうございました。

 各国の人と日本語で話し合うのは楽しんでいた。台湾・日本だけではなく、ベトナムや中国人やマレーシアなどの状況も発表・対話しているうちに分かれる。すごく新鮮だと思う。目標として難易度が丁度いい。2期と3期の内容を楽しみにしている。

 私は日本語があまり話せませんが、ほかの国で日本語を勉強している人を知り合って、本当にうれしかったです。これからも頑張り続きます。

 こういう長期間の交流が滅多にないので楽しかった。この活動を通じて、コミュニケーション能力が上がる空間があると感じで、これからもこういう活動をしたいな

日本語コミュニケーション学科生(JC生)の声

JC生の皆さんも、協定生の皆さんと共に学べたことに喜びを感じていました。特に、協定校の皆さんから刺激と勇気をもらっていることが伝わります!

 8月から留学するから一応参加しておこうという気持ちだった。だが、協定生と交流をし、意見交換をすることで、相手の日本文化への興味や日本語を学ぶ意欲が非常に凄く、甘い気持ちで参加したのが情けなくなった。しかし、交流を通して、自分自身が、日本や日本語に対して、改めて見るための機会になり、とても学びあるプロジェクトになった。これから、もっと日本の素晴らしさを知っていくだけではなく、異文化交流で知ったことを活かし、海外にも目を向けていきたいと思った。JC学科ならではのプロジェクトだったので、参加して良かった!と心から思います。またこのような機会があれば参加したいです。

大きな変化がありました。ベトナムをはじめ、他の地域に対するステレオタイプがなくなってきて、そこの生活と美味しい食べ物に関心を持つようになりました。今後はベトナムをはじめ、各地域へ旅行したり、仕事したくなりました。そして、異文化交流と文化そのものに対する理解も深め、文化背景が違う人たちと交流し、接触することを通して、自分自身の考え方と変わりました。最後に、インタビューの手順とやり方、スライドの作り方についても学ぶことができ、発表のスキルも高まったと感じました。これからも一生懸命に日本語を学習していきたいと考えます。

 今までオンラインの授業やグループワークなどをしてきて、質問やわからないことがあっても、とても聞きにくく、スルーしてしまうことが多かったです。しかし、今回このプロジェクトに参加して、わからないことを素直に聞いても恥ずかしくないという考えに変わりました。協定生がわからないことに対して、積極的に質問していたからです。私が英語や中国語を使うこのようなプロジェクトに参加しても、わからないまま済ませてしまっていたと思います。また、今まで私が参加してきた留学生や協定生に関するプロジェクトは留学生や協定生に「教える・してあげる」のような部分が強かったです。そのため、自分がリードしなければいけない、自分がアクションを起こさなければいけないという意識が強いまま、このプロジェクトのグループ活動に入りました。しかし、2期の活動で協定生の方がたくさん提案してくれて、このプロジェクトは協力が大切なんだ、協力って自分一人だけじゃないんだという認識が生まれました。

まさに、一期一会(いちごいちえ)の出会いと学びですね。
私たち教員も、協定校の皆さん、JC生の皆さんが勇気を持って一歩踏み出し、活動から多くのことを学んでくれたことが本当に嬉しいです。
このような企画をこれからも続けていきたいと思います。
はやく直接会って学びあえる日がきますように!

海外インターンシップ担当教員 岩田夏穂・藤浦五月