2024年春(2023年度)も、無事に現地で実施することができました!
本プログラムは、国際交流基金「大学連携日本語パートナーズプログラム」の助成を受けて実施されました。武蔵野大学グローバル学部日本語コミュニケーション学科の学生(JC生)14名が参加し、5つの大学に2~4名ずつ派遣されました。

派遣期間は2〜3週間で、時期と派遣先は次の通りです。
第1期 2023年2月4日-2月24日 : タマサート大学(タイ)
第2期 2023年2月25日-3月9日 : ハノイ国家大学外国語大学(ベトナム)、ホーチミン市師範大学(ベトナム)、大葉大学(台湾)、東海大学(台湾)

活動内容【事前活動・現地実習・事後活動】   

本派遣プログラムは、「海外インターンシップ」という単位認定科目として位置づけられ、履修希望者のJC生は、書類審査と面接を経て、実習生として【事前活動】【現地実習】【事後活動】に参加しました。【事前活動】で派遣先の大学で行うワークショップやインタビュー、教壇実習など【現地実習】の準備、【事後活動】で成果発信のためのホームページコンテンツ作成および成果報告の発表会を行いました。

【事前活動】は2日間行いました。1日目は、渡航先の生活上の留意点、協定校での活動(ワークショップ、プレゼンテーション)の概要、教壇実習のガイダンスと初級日本語授業の概要を確認し、「~ています」を導入練習する教案を考えてみることで、授業のイメージトレーニングを行いました。そして、すでにJC学科の日本語教員養成科目を履修している学生や登壇実習経験のある学生と、日本語教育関連の経験が浅い学生がペアになり、ペアごとに異なる文法項目を担当し、協力して教案を作成することを課題としました。2日目は、考えてきた教案をもとに、実際に教室の前に立って模擬授業を行い、学習者役の実習生がフィードバックをしました。続いて、派遣先の先生方、協定生へのインタビューの手順と実施に伴う倫理的配慮(依頼書、承諾書の作成、音声データや写真などの個人情報を扱う際の注意)の確認を行いました。また、現地で自己紹介・武蔵野大学の紹介を行うためのパワーポイント作成や、ワークショップ準備を行いました。

【現地実習】では、派遣校のカリキュラムに合わせて様々な活動を行いました。教壇実習・ワークショップ・プレゼンテーションを行いました。また、派遣校によっては、プライベートで日本語について相談できる時間や雑談できる時間を設けたり、日本語サークルの活動や高校訪問に参加したりしました。

◎ 教壇実習
協定校のコーディネーターの先生が調整してくださり、実習生は授業全体あるいは一部分を担当して登壇実習を行いました。ベトナムでは、2週間という限られた時間でしたが本格的な教壇実習を行いました。先生より、事前にテキストの担当部分が示され、担当実習生が教案を準備して授業を行いました。協定校の学生さんは、とても温かい雰囲気で授業を受けてくださいました。その後、先生から丁寧なフィードバックをいただき、実習生は、達成感を得るとともに日本語を教える上で大切な点に気づくことができ、意義のある経験となりました。各協定校における実習の様子は、こちらをご覧ください。

◎ ワークショップ
JC生は、2年次のゼミでワークショップの企画運営を行います。その経験を生かして、文化、社会のさまざまな現象や問題についてディスカッションを通して考えるワークショップを、本プログラムに向けて企画し、実施しました。タイでは、日本語クラスで、台湾では、日本・日本語に関するサークルや、高校訪問でワークショップを実施する機会がありました。トピックはジェスチャー、方言や早口言葉、食文化や料理、日本のアルバイト体験など、いずれも海外で日本語を学ぶ学生さんが興味をもって参加できるようなもので、大変盛り上がりました。各協定校でのワークショップの様子は、こちらをご覧ください。

◎ プレゼンテーション
事前活動で準備した自己紹介や日本の大学生活紹介のプレゼンを行いました。自己紹介では、趣味などを紹介すると共通の趣味がある学生さんが嬉しそうに手を挙げて表明してくれたりしました。プレゼン後にも聴衆の学生さんからおもしろい質問やコメントが出て、日本語でやり取りをする機会だけでなく、お互いの距離を縮めるきっかけになりました。

◎ 現地の学生との交流
実習生と協定校の学生さんたちは、渡航前からSNSで繋がって情報交換するなど、渡航前から仲間として迎え入れてくれる雰囲気ができていました。実習生の中には、海外に行くのが初めてという人もいましたが、現地の学生さんがこのように渡航前からきめ細かく準備をしてくれたおかげで、とても心強く感じました。現地では、授業でもプライベートのときでも、本当に温かい手助けをしてくれました。帰国前は離れ難く、再会を信じて感謝の気持ちで各国を後にしました。このように、とても深い交流が実現できたことは、大きな成果でした。

【事後活動】では、派遣大学で行った活動を振り返り、まとめました。教壇実習・ワークショップ・プレゼンテーションやインタビューを記事にして発信しました。また、活動全体を通してどのような学びや変化があったのか、プレゼンテーションにまとめてクラス内発表を行いました。JC生の声は最後にもご紹介します。

事後学修:派遣先活動の発表会(2024年3月12日)

発信スキル(wordpress)

このプログラムでは、発信スキルも磨くために、プロの講師からwordpressを使った記事制作について学びました。

【wordpressを使った記事編集スキル】は、Weyd Designの鎌倉先生に教えていただきました。現代は「発信」の時代。wordpressは世界でも広く使われています。活動についてまとめて学びを振り返るだけでなく、発信スキルも身につけられるのがこの授業の魅力です。多くの学生がwordpressを使うのは初めてでしたが、鎌倉先生のわかりやすいレクチャーを受けてどんどん記事編集を進めていきました。

レクチャーが大変役に立ったと、学生からも好評でした!

さて、JC生はどんな記事を書いたのでしょうか。このサイトにたくさん記事がアップされていますので、活動内容インタビューの内容は、JC生が心を込めて書いた記事からご覧ください!

日本語コミュニケーション学科生(JC生)の声

JC生の皆さんも、本プログラムで多くの学びを得たようです。特に、協定校の先生方にアドバイスを頂きながらの登壇実習・ワークショップ、そして皆さんから刺激と勇気をもらっていることが伝わります!

 日本語教師という職業は、単に日本語という言語を教える職業だけではなく、日本の文化を多くの人に伝えることができる職業であると思った。母国語で色々な人とコミュニケーションが取れることはとても嬉しいことだと思った。

日本語を教えることがいかに難しいのか気付かされました。何がちがうの?と聞かれたりしたときに答えられなくて困ったり日本語独自の他の国にはない表現など説明するのに困りました。また、私は遅いとすぐイライラしてしまう性格ですが、学習者が頑張って話そうとしてるのを見てちゃんと待ってあげないといけないなと思いました。 話したい言葉が出てこなさそうな時とかになんとかのこと?なんとかのこと?と当てはまりそうな言葉を先走って言ってしまうので待つことも大切だと思いました。

日本語で教える内容も重要だが、どうやって大人数をまとめるか、教室の雰囲気をどうするかなど「日本語を教える」こと以外にもその他のことも大切なことに気づいた

 私は、将来の仕事を考えたとき、日本語が限界になった。日本語以外に選択肢がないような気がしました。私は日本語を学んだ後、日本語教師か翻訳になるのが一番いい仕事だと思っていましたが、他に何ができるのかがわかりませんでした。タイに行ってからたくさんの学習者と話をしたところ、大使館で働くこと、日タイビジネス、国際航空などやりたい仕事がたくさんあることがわかりました。好きな日本のアイドルがタイに来たときにコンサートの主催に応募できるように、エンターテイメント会社に就職したい学生もいました。彼らの考えは、日本語があればプラスであり、日本語を知っていればやりたい仕事を見つけやすくなるというものでした。将来どのような仕事をしたいかはまだ決まっていないが、もっと検討してみよう!(留学生)

一方で、こんな意見も ↓

JC学科は日本人と外国人の半分ずつの学科なので、普段の異文化コミュニケーションは特に多いです。タイでは学生たちと交流するのも異文化なので、特に違いはありません。

武蔵野大学日本語コミュニケーション(JC)学科は、国内でも国外でも、異文化・多文化に関する学びの機会があることがよくわかるコメントです。
本サイトの記事を読んでも、事後活動で自分なりに言葉にし、本プログラムの価値を自分で見つけていることが伝わります。
私たち教員も、協定校の皆さん、JC生の皆さんがお互いに勇気を持って一歩踏み出し、活動・交流から多くのことを学んでくれたことが本当に嬉しいです。

このサイトの記事を読んでくれた方も、JCとひとつの縁が繋がったと思っています。
こうして広がるご縁が、これからも大きく、広く、長く続きますように!

海外インターンシップ担当教員 岩田夏穂・藤浦五月