概要

 観光日本語という授業科目において、4年生の学生の方たちと一緒に授業を行いました。「観光日本語」という科目は、空港の出迎えや案内など、観光する際に必要な言葉や表現を観光場面を通して学ぶ授業です。最初に、学習者がフエの観光スポットや観光プランについて、日本語とベトナム語を駆使してプレゼンテーションを行いました。その後、自分たちが日本の文化についてプレゼンテーションを行い、お互いの国の文化を学び合う機会となりました。

授業について

1コマ50分×2(100分)の授業の中で、20分間を使い、日本紹介のプレゼンテーションを行いました。参加者は20人であり、全員4年生の日本語中級レベルの学生です。

活動内容   

前半は、学習者がグループに分かれ、各グループでテーマに沿った内容のもとプレゼンテーションを行いました。主なトピックとしては、フエの観光スポットの案内、伝統料理の紹介、フエを観光する際に気を付けるべきポイントなどでした。どの学生も積極的に取り組み、日本語が堪能な学生は日本語とベトナム語の2言語でプレゼンテーションを行っていました。実際に観光スポットを巡り動画を撮影してPVを作成したグループもあり、クオリティの高い文化交流となりました。

授業の様子

後半は、自分たちが日本の文化・観光に関するプレゼンテーションを行いました。文化紹介では「居酒屋」について、観光スポットは「ディズニーランド」について紹介しました。「居酒屋」については、実際に日本の大学生が頻繁に利用するチェーン店の紹介、メニュー、お通し文化について、動画や実際の写真とともに説明を行いました、「ディズニーランド」については、パーク内の地図や入場料金について説明し、メインのアトラクションを動画で紹介しました。学習者は集中して耳を傾けてくれ、特に実際の動画や写真を用いて説明する場面で興味関心を持っていたように感じます。

実際に使用したスライド

工夫した点

プレゼンテーションを行う上では、4年生の学習者に向けたものであるため基本的な日本語の表現は普段通り使用し、少し難しいと思われるものに関しては随時言い換えを行い、学習者の様子を見ながら対応しました、PPTに関しては、難しいと思われるものや、文化紹介で使用した新たな単語についてはフリガナや意味を記載する工夫を行いました。

参加者の声

参加者の学生のコメントからも、お互いの文化交流により有意義な時間を過ごせたことが伺えます。(終了後のアンケートから)

 今まで知らなかった文化について触れられたことでより日本に興味をもつきっかけとなった。特に、ディズニーランドに行きたいとずっと思っていたので今回紹介してくれたことは良い機会となり、日本に行ったらぜひ行きたいと思う(フエ大学学生)

 動画や写真が多く使われていることで、実際の日本の場面を想像しやすかったため、さらに興味を抱いた(フエ大学学生)

感想

教壇実習を通して、日本文化を紹介するだけでなくベトナム文化にも触れ、双方向的に学びを得られた貴重な時間でした。文化交流により、更に日本や日本語に対して興味を抱くきっかけになれば良いなと感じます。

わたしが聞きました!
新井 颯夏 / Arai Soyoka
例:日本語コミュニケーション学科2年生(取材当時)
日本語教師を目指したい、日本語について深く学びたいという思いから、この学科に入学しました。海外インターンシップ制度があることも、入学を決めた大きなきっかけです。ぜひこのチャンスを無駄にせず、自分の学びを深め経験値を上げたいと思い、インターンシップへの参加を決めました。実際に日本語教育が行われている現場に行くことで、大学内だけでは学べない発見や面白さがあります。どのような授業方法で、どんな教材を使用しているのか、現地の学生や日本語教師の方々が日本語をどのように捉え考えているのか知ることができたことは、自分にとって大きな財産だったと感じます。また日本語教育にとどまらず、海外で生活をする上で、カルチャーショックを受けることや異文化交流を体験することも、自分の視野を広げるきっかけとなりました。日本語教育や海外に興味のある方、異文化体験を通して自分の視野を広げたいという方や何か今までとは異なることにチャレンジしたい気持ちのある方は、ぜひ参加してみてください!