2026年春(2025年度)も海外インターンシップを実施することができました!
本プログラムは、国際交流基金「大学連携日本語パートナーズプログラム」の助成を受けて行っています。武蔵野大学グローバル学部日本語コミュニケーション学科の学生(JC生)12名が参加し、4つの大学に2~4名ずつ派遣されました。
第1期 2026年2月8日-3月1日 : タマサート大学/マハーサーラカーム大学(タイ)
第2期 2025年2月23日-3月8日 : 東海大学/大葉大学(台湾)

活動内容【事前活動・現地実習・事後活動】   

本派遣プログラムは、「海外インターンシップ」という単位認定科目として位置づけられ、履修希望者のJC生は、書類審査と面接を経て、実習生として【事前活動】【現地実習】【事後活動】に参加しました。【事前活動】で教壇実習、協定校生へのインタビュー、大学紹介、文化紹介など【現地実習】の準備、【事後活動】で海外インターンシップにおける成果発信のためのホームページコンテンツ作成および成果報告の発表会を行いました。

【事前活動】は2日間行いました。1日目は、渡航先の生活上の留意点、協定校での活動(ワークショップ、プレゼンテーション)の概要、教壇実習のガイダンスを行いました。本学では、現地教壇実習として、CLIL(Content and Language Integrated Learning:内容言語統合型学習)による活動授業(CLIL活動)に取り組むことになっています。1日目の事前学習にはCLILの専門家としてCLIL実践に取り組んでいる東京都立大学の奥野由紀子先生にCLIL入門講座をしていただきました。CLILとは、内容と言語の双方に焦点をあてることによる言語力の発達を促す教育的アプローチ(Colye, Hood & Marsh, 2010)のことです。なぜ日本語教育でCLILに取り組むのか、世界の日本語教育における意義についての講義の後、具体的なCLILの実践事例をいっしょに考えていきました。そしてCLILの4つの教育理念、Content (内容)、Communication(言語)、Cognition(思考)、Community/Culture文化(協学・異文化理解)を4Cとして、これらを基に教壇実習で各自が行うCLIL活動を実践的に考えていきました。ここで紙面上で考えたCLIL活動案について、派遣先大学でグループに分かれ、ピアで活動を検討しました。
2日目は、考えてきたCLIL活動案をもとに、実際に教壇に立って模擬CLIL活動を行い、学習者役の実習生がフィードバックをしました。実際に行ってみると、なぜその活動を行うのかという根本的な問いや、対象の日本語学習をしている実習先学生とのコミュニケーションについて考えを深めることができました。模擬CLIL活動に続いて、倫理的配慮(依頼書、承諾書の作成、音声データや写真などの個人情報を扱う際の注意)の確認を行いました。海外インターンシップでは、協定校生へのインタビューを行います。その際の手順と実施方法を確認し、インタビューの準備をしました。最後に現地で自己紹介・武蔵野大学の紹介を行うためのパワーポイント作成や、CLIL活動準備を行いました。

【現地実習】では、派遣校のカリキュラムに合わせて様々な活動を行いました。台湾では、高校訪問でCLIL活動を行う機会がありました。実施する側の時間配分、声がけや雰囲気の大切さも学ぶことができました。派遣先大学のオープンキャンパスに参加したり、派遣先大学の運動施設で大学生とバレーボールをいっしょに行うなど、授業以外にもさまざまな機会、場でコミュニケーションを行いました。

◎ 教壇実習
派遣先協定校のコーディネーターの先生の調整の下、CLILの4Cで実習生が考え、つくりあげたCLIL活動で教壇実習を行いました。協定校の学生さんは、とても温かい雰囲気で授業に積極的に参加してくださいました。コーディネーターの先生からも、CLIL活動前に、複数回活動案にアドバイスをしてくださり、そのアドバイスを元に協定校生の日本語レベルや興味にあわせてCLIL活動案を調整しました。教壇実習後は、先生から丁寧なフィードバックをいただきました。実習生は、達成感を得るとともに大切な点に気づくことができ、意義のある経験となりました。実習を通して、授業のゴールをはっきりすること、相手にあわせて日本語を調整したり、ジェスチャーや表情にも気を配ることなど、スキル面でも細部にわたって色々なことに気づくことができました。各協定校における実習の様子は、こちらをご覧ください。

◎ 交流
事前活動で準備した自己紹介や日本の大学生活紹介、日本語・日本文化紹介を授業内で積極的に行いました。自己紹介では、趣味などを紹介すると共通の趣味がある学生さんが嬉しそうに手を挙げて表明してくれたりしました。授業後にも聴衆の学生さんからおもしろい質問やコメントが出て、日本語でやり取りをする機会だけでなく、お互いの距離を縮めるきっかけになりました。日本語紹介では、自分たちに身近な若者言葉について紹介しました。紹介するだけではつまらないのではと、クイズを入れるなど伝える工夫もしました。日本の様々なことを紹介するという経験が新鮮で、難しさと楽しさを感じられました。

◎ バディとの交流
実習生と協定校の学生さんたちは、渡航前からSNSで繋がって情報交換するなど、渡航前から仲間として迎え入れてくれる雰囲気ができていました。協定校生、実習生はお互いをバディと呼び合い、教室内だけでなく大学、大学のある地域でともに多くの時間を過ごしました。また、実習生の中には、海外に行くのが初めてという人もいましたが、協定校生バディが渡航前からきめ細かく準備をしてくれたおかげで、とても心強く感じました。現地では、授業でもプライベートでも、本当に温かい手助けをしてくれました。協定校生も本学実習生も帰国前は離れ難く、再会を信じて感謝の気持ちで各国を後にしました。本学実習生と過ごした日々を手づくりのアルバムにまとめ、ことばを寄せてくれた協定校バディもいました。このように、とても深い交流が実現できたことは、大きな成果でした。

【事後活動】では、派遣大学で行った活動をふり返り、ことばにしてまとめることを行いました。このWEBサイトには実習生の今回の経験があふれています。教壇実習やインタビューを記事にして発信しました。海外インターンシップ実習生による発表会には、JC教員だけでなく、本活動を支えてくださった職員の皆さんも来てくださいました。それぞれの派遣校での経験を共有することで、お互いの学びも2倍・3倍になったように感じます。JC生の声は最後にもご紹介します。

発信スキル(wordpress)

このプログラムでは、発信スキルも磨くために、プロの講師からwordpressを使った記事制作について学びました。

【wordpressを使った記事編集スキル】は、Weyd Designの鎌倉先生に教えていただきました。現代は「発信」の時代。wordpressは世界でも広く使われています。活動についてまとめて学びを振り返るだけでなく、発信スキルも身につけられるのがこの授業の魅力です。多くの学生がwordpressを使うのは初めてでしたが、鎌倉先生のわかりやすいレクチャーを受けてどんどん記事編集を進めていきました。

レクチャーが大変役に立ったと、学生からも好評でした!

さて、JC生はどんな記事を書いたのでしょうか。このサイトにたくさん記事がアップされていますので、活動内容インタビューの内容は、JC生が心を込めて書いた記事からご覧ください!

日本語コミュニケーション学科生(JC生)の声

本プログラムではプログラム終了後に、参加学生に対してオリジナルアンケートも実施しています。このプログラムを通じて、「日本語を教えること」や「日本語でのコミュニケーション」に対する考え方・感じ方に変化がありましたかという質問に、参加者全員が「変化があった」と回答!ここではその変化についての具体的な回答内容やプログラム全体の感想を共有します。コメントを見ると、JC生の皆さんも、本プログラムで多くの学びを得たようです。特に、協定校の先生方にアドバイスを頂きながらの登壇実習、活動、そして皆さんから刺激と勇気をもらっていることが伝わります!

 このプログラムに少しでも興味を持ったなら、まずはぜひ一度説明会に参加してみてください。私自身も、最初は「どんなプログラムなんだろう」と軽い気持ちで説明会に行き、話を聞くうちに挑戦してみたいと思うようになり、応募を決めました。海外が初めてだったり、タイや台湾に行ったことがなかったりすると、2〜3週間の渡航にはどうしても不安があると思います。私も渡航前は不安でいっぱいでした。それでも、思い切って参加してみた結果、予想していた以上に充実した毎日が待っていて、もっとここに居たいと思うほど貴重な経験ができました。現地ではバディや先生方、学生たちが温かく迎えてくれ、困ったときにはすぐ相談できる環境が整っています。日本語教育の現場を実際に体験できる機会も多く、大学の授業では得られない学びがあります。少しでも、日本語教育の現場を見てみたい、海外の大学生と関わってみたいと思う気持ちがあるなら、迷わずチャレンジしてほしいです。参加して後悔することは絶対にありません。一生思い出に残るような、貴重な経験をしてきてください。

日本語教育のプログラムではあるが、人との交流がこの海外インターンシップの強みだと感じた。学生や先生など多くの人に助けてもらって無事に活動を終えることができた。この経験から関わってくれた全ての人に対しての感謝の念が一層強まると同時に人に対して優しくあるべきと改めて考えることができた。現地での経験は今後の人生においても役立つと思う。今回のインターンシップはお金では変えることのできない経験だと思う。

勉強面以外でも、大勢の前に出て話をすることや初対面の人とのコミュニケーション、短期間での発表の準備、三週間の共同生活など様々な面で成長することが出来たと感じた。プログラムに参加するか迷っていたが、とても貴重な機会を得ることができ、参加して良かったと思う。これからも積極的に参加しようと思った。

今回のプログラムを通して、日本語を教えることは単に文法や語彙を説明することだけではなく、相手の日本語レベルに合わせて話し方や説明の方法を工夫することがとても大切だと感じた。また、日本語でコミュニケーションをとるときも、必ずしも完璧な日本語である必要はなく、やさしい日本語や簡単な表現を使いながら伝えることが重要だと実感した。実際に現地の学生と話す中で、相手に伝わるように言い方を変えたり、ゆっくり話したりすることの大切さを学ぶことができた。

そして、こんな意見も ↓

・日本語教育に関して漠然としたイメージしかなかったが、今回のプログラムに参加した事でイメージを詳細にすることができた。

・日本語教師になるかはわからないけど、資格の取得はしたくなった。

みなさんは日本語教育の国家資格「登録日本語教員」についてご存じでしょうか?

変化の速い今の時代、どのような仕事に就くか、どのようなスキルが役立つか予測するのは難しいですね。このプログラムに参加するのは大学2年生と3年生。将来の希望や目標がはっきりあるとは限りません。
このような時期に、プログラムを通じて日本語教育についてイメージできた、専門的な資格の取得を目指すモチベーションを得られたというこのコメントは、人生の選択肢をひとつ増やし、自分と対話する機会を得られたことを示しているようにも思います。

武蔵野大学日本語コミュニケーション学科の「登録日本語教員」養成プログラムは文部科学省より「登録日本語教員養成機関」及び「登録実践研修機関」に認定されています。令和7年度第2回目の日本語教員試験では、本学4年生7名が合格しました!詳細はこちらからご覧ください。
本学科では、「日本語教員試験」の受験をサポートする特別対策講座も実施しています。この海外インターンシップも含め、いますぐ、でなくてもゆっくり将来を考える気持ちを大切に育てる環境を整えています。


本サイトに掲載されている様々な「かつどう・インタビュー記事」を読んでも、事後活動で自分なりに言葉にし、本プログラムの価値を自分で見つけていることが伝わります。こうした経験のひとつひとつが、自分の価値観や将来について考える対話機会に繋がっていることが窺えました。
私たち教員も、協定校の皆さん、JC生の皆さんがお互いに勇気を持って一歩踏み出し、活動・交流から多くのことを学んでくれたことが本当に嬉しいです。

このサイトの記事を読んでくれた方とも、JCとひとつの縁が繋がったと思っています。こうして広がるご縁が、これからも大きく、広く、長く続きますように!

海外インターンシップ担当教員 藤浦さつき・佐野香織