2026年2月26日、タマサート大学にて日本語学習者を対象としたCLIL活動を行いました。今回のテーマは「アニメで学ぶ日本語」です。日本語学習者にも人気のあるアニメを題材に、オノマトペや一つの言葉で複数の意味を持つ表現について学ぶ活動を行いました。

参加者は教養学部日本語専攻の学生5名で、3年生4名、1年生1名でした。日本語能力はN1〜N3レベルで、N1・N2レベルの学生が多いクラスでした。活動は約40分で実施しました。学生はテスト期間中であったため参加者を集めることは簡単ではありませんでしたが、少人数で落ち着いた雰囲気の中で活動を行うことができました。

活動内容   

① アニメを使ったオノマトペ学習

授業の導入では、日本のアニメについて簡単に紹介し、学生に「好きなアニメはあるか」「タイで人気のアニメは何か」などの質問をしました。アニメの話題から授業に入り、学習への興味を高めることを意識しました。

その後、日本語のオノマトペについて簡単に説明し、いくつか具体例を紹介しました。説明の後、学生に「知っているオノマトペはあるか」を質問し、周りの人と話し合ってもらいました。学生同士で相談しながら思いついた言葉を確認し、最後にいくつかのオノマトペを発表して共有しました。

次に、アニメのシーンを使ったクイズを行いました。鬼滅の刃や呪術廻戦などのアニメの切り抜き動画を使用し、「ほわほわ」という言葉が出てくる場面を数回流しました。その後、意味を三つの選択肢から選ぶクイズを挙手制で行いました。回答後には解説を行い、オノマトペの意味や使われ方について説明しました。

② アニメを使った多義語「大丈夫」の学習

次に、一つの言葉で複数の意味を持つ表現の学習を行いました。最初にアニメの動画を流し、字幕のみを表示して音声を消した状態で見てもらいました。前後の文脈から、音が消えている部分でどの言葉が使われているかを三択で考えるクイズを行いました。このクイズでは、三つの選択肢すべてが正解になるように設定し、文脈によって意味が変わることを説明しました。

その後、「大丈夫」という言葉に注目し、主に四つの意味に分類して説明しました。
例えば、「問題ない」という意味や「心配している相手を気遣う表現」、また「遠慮する表現」など、状況によって意味が変わることを紹介しました。

最後に、アニメの短い動画を使ったクイズを五問出題しました。すべての動画に「大丈夫」という言葉が含まれており、学生は四つの意味の中から最も近いものを選びます。各問題の後には解説を行い、どのような場面でどの意味になるのかを確認しました。

オノマトペ学習のスライド①
オノマトペ学習スライド②

授業で工夫したこと

今回のCLIL活動では、学生が安心して発言できる雰囲気づくりを意識しました。いきなり指名して発表させるのではなく、まず学生の周りを回ってどのような意見が出ているかを聞き、「いいですね」など声をかけてから発表してもらいました。これにより、学生が自信を持って発言しやすくなるようにしました。

また、アニメの動画を一度だけではなく、数回繰り返して流すようにしました。さらに、いきなり動画を見ると状況が理解しにくい場合があるため、事前に場面の簡単な説明をしてから動画を見せるようにしました。こうした工夫によって、学生が内容を理解しやすくなるように意識しました。

活動では私たちも各グループに入り、学生と一緒に話し合いながら活動を進めました。声かけを行いながら、話し合いが活発になるよう心がけました。

授業風景

学生の声

アニメを使った授業だったのでとても面白かったです。クイズもあって、楽しみながら日本語を学ぶことができました。(3年生)

 難しすぎることはなくて、ちょうどいいレベルだと思いました。アニメの場面を見ながら意味を考えるのが楽しかったです。(3年生)

とても面白かったですが、少し難しいところもありました。特に『大丈夫』の意味を考えるクイズは少し迷いました。(1年生)

実習を振り返って

今回のCLIL活動は予定していた内容をほぼすべて実施することができました。また、参加者が友人同士であったこともあり、活動は比較的リラックスした雰囲気で行うことができました。アニメを題材にしていたため、学生も興味を持って授業を聞いてくれていたように感じました。

一方で、活動準備の段階ではWi-Fiがつながらない、音声が出ないなどのトラブルもあり、解決に時間がかかる場面もありました。また、参加者の多くが上級レベルの学習者であったため、途中で少し難易度の高い問題を追加しました。

オノマトペの活動では、学生が知っている言葉を引き出すことができましたが、クイズに入る前にもう少し具体例を紹介しておくと、より理解が深まり、考えやすくなったのではないかと感じました。

また、アニメのシーンを使う際には、できるだけ多くの学生が知っている作品を選ぶことや、状況が分かりやすい場面を使用することが大切だと感じました。事前に状況説明を行うことで理解しやすくなったため、今後はさらに分かりやすい場面を選んで活動を行いたいと思います。

わたしが書きました!
篠原利果/ Rika Shinohara
武蔵野大学日本語コミュニケーション学科2年生(取材当時)
私は、異文化理解を深めたいという思いと、多国籍の学生と交流してみたいという気持ちからJC学科に入学しました。大学で学ぶ中で日本語教育にも興味を持つようになり、今回の海外インターンシップに参加しました。タマサート大学の学生はみんな親切で優しく、とてもフレンドリーな人ばかりでした。多くの学生と話す機会があり、交流を通して自分の視野が広がったと感じました。実際に授業を行い、学生から「楽しかった」と言ってもらえたことはとても嬉しく、大きな喜びを感じました。一方で、自分の思うように授業を展開する難しさも実感しました。今回の経験を通して、人の温かさや交流の大切さを改めて感じることができました。とても貴重な経験になり、機会があればまたタイを訪れたいと思っています。